日本代表がシリア代表と戦った昨日、シリア人難民のジャマル(25歳)は、シリア代表が戦った味スタから50km離れたアーセナルSS市川の専用グランドで、黙々とリハビリに励んでいました。
彼と初めて会ったのは昨年暮れ。難民支援協会から日本でプロを目指したいシリア人難民がいるから手を貸してくれないかということでした。その時、世界中に500万人くらいいるシリア人難民のうち、日本政府が難民として受け入れているのがたった6人しかいないことを知りました。ジャマルはその6人の中の1人です。
ジャマルは小さい頃からシリアでプロサッカー選手を目指し、3部、2部と順調にステップアップし、とうとう1部リーグの強豪「ALWEHDA」にプロとして2011年に移籍しましたが、その年に現政権を倒し民主化を進める革命「アラブの春」が起こり、内戦が悪化し、シリア代表合宿に召集されたにもかかわらず、参加が叶わなかったんです。ジャマルによると、その時のシリア代表選手のうち5、6人はアサド政権に反対して殺害されたといいます。空爆が悪化した2013年10月にジャマルはシリアを脱出して、レバノン経由で日本にやって来ました。
来日してから3年間は必死に家族のために働き、2年後に難民認定され、少しずつ生活が安定して、この4月には明治大学にも入学しました。そういう中でかつてプロ選手としてプレーしていたサッカーへの夢をこの日本で再び挑戦したい気持ちが沸き起こったと私に熱く語ってくれました。
そこで彼の実力を見極めようと私のチームで試合をしてもらおうと思ったのですが、昨年11月に肉離れしたハムストリングが治るまで待とうということになりました。しかし春になってもなかなかよくならないというので、うちのクラブに呼んで、フィジカルトレーナーに診察してもらって、リハビリトレーニングを現在行なっているところです。あと、2、3週間で実戦に復帰できる見込みで、その後、彼の実力を見極めた上で、Jへの挑戦に手を貸すつもりです。
着の身着のままでシリアを脱出して、まったく知らない国にやって来た彼の夢への挑戦の道程を通じて、日本でも多くの人たちにシリアの現状に関心を持ってもらえたら嬉しいです。アーセナルの子供達にもこの機会を通じてシリアの話を親御さんからしてもらえると嬉しいです。ぜひ詳しくは下記の記事を読んでください。
北市川フットボールフィールドで彼を見かけたら声をかけてあげてください。
日本でプロを目指すシリア難民の挑戦 #1
https://victorysportsnews.com/articles/2473/original
日本でプロを目指すシリア難民の挑戦 #2
https://victorysportsnews.com/articles/2615/original
日本でプロを目指すシリア難民の挑戦 #3
https://victorysportsnews.com/articles/2712/original
日本でプロを目指すシリア難民の挑戦 #4
https://victorysportsnews.com/articles/2738/original